ゆりっこ通信
ゆりっこ通信
2019年11月20日(水)
シスターのお話『半日村』
今日は、1つのお話を読みます。
むかし、あるところに、半日村と呼ばれる村がありました。
どうしてそんな名前がついたかというと、その村は後ろに高い山があって、朝、太陽が出ても、山の影になって、半日しか陽が当たらなかったからです。半日村は、他の村に比べると、お米も半分しかとれませんでした。
半日村に、一平という名の少年がいました。ある晩、お母さんとお父さんが「あの山さえなければいいのにね」「山を動かすわけにはいかない、諦めるより仕方がない」と話しているのを聞きました。
一平は次の日、袋をかついで山のてっぺんまで登り、そこの土を袋につめておりてきて、「ざぁーっ」と湖にあけました。毎日一平がそうするのを、子どもだちは笑って、ばかにしていました。そのうちに、なんだかおもしろそうな気がして、まねをしだしました。三人、四人とだんだん増えて、そのうち、大人も手伝うようになりました。こうして村中の大人たちも仕事の合間に山に登り、土運びをするようになりました。
何日も何日もそうしていると、山が少しずつ低くなって、村に陽が当たる時間が少しずつ早くなってきました。こうして何年も何年も土運びが続けられました。
やがて一平や子どもたちは大人になりました。一平の息子たちも頑張りました。とうとう山は半分の高さになって、一日中太陽が当たるようになりました。
湖は土で埋められ半分になって、田んぼができました。それから半日村は1日村と呼ばれるようになりました。
イエス様は、悲しんでいる人、苦しんでいる人たちのために働かれました。今も働いておられます。そして、私たちに協力を求めておられます。みんなが一緒になって働くとき、世の中を明るく平和にすることができるのです。
ちょうど、半日村が1日村になったように。